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一言の大切さ

私たち日本人は、場の空気を非常に気にします。

少し古いですが、KYなどという言葉も流行りましたね。

しかし、空気を読めないことと、空気を読みながら意識的に全体の意見と違う事を

主張することはまったくちがいます。

 

以前、こんな経験をしました。

仕事上の手続きが古くから決まっており、その手続きが効率的ではないため、現場から

かなり苦情が出ていました。

私自身、非常に急ぐ案件があり、通常の手続きを実施していたのでは間に合わず、ある部門の

担当者に事情を説明し、何とか対応してもらうように依頼しました。

結果は、見事に却下。

彼は、ルールを守り、通常の手続きを実施しろと言う。

簡単に引き下がれなかったので、関連部門を収集し対策会議を実施しました。

どこの組織でもあると思いますが、この手の話は簡単に結論が出ません。

特に複数の部門にまたがる案件ではなおさらの事です。

対策会議が険悪なムードになった時、ある若い担当者が、

「こんなことをやっていたら、会社が壊れてしまう!」と言葉を発しました。

一瞬、シーンとした後、明らかに場の空気が変わりました。

しばらく無言の時間が流れ、その後は今までの雰囲気とは嘘のように、前向きな話ができました。

 

またこんな経験もありました。

随分前の事なので、ちょっと記憶は曖昧ですが、何故か、強く記憶に残っている出来事でした。

チームで仕事を進めていたのですが、ある問題があり暗礁に乗り上げていた。

上司からは、チームのリーダーは誰だ?

リーダーが方向性を示し、メンバーを指導しろ、みたいな内容であったと思いますが、強く叱責された

ことがあります。

 

こういう時はいつものパターンで対策会議を実施したと思います。

メンバー同士で話し合っても、有効な対策が出てきません。

とうとう、「この企画は、もともと無理があったのでは?」などの意見が出てくる始末。

この時に、一番の年長者が、「俺は、君たちを信じている、この仕事は必ず出来る、もう一度考え直そう」

との発言。

私は、一瞬引きましたが、周囲を見渡すと、何故かこの意見に賛同している様子。

漫画の様な話ですがその後、前向きな打合せが始まりました。

 

人は、大きな壁に突き当たった際、多くの場合、自分を正当化しようとします。

また、自分だけ安全地帯に身を置き、批判に徹しようとする場合もあります。

様々な形で、自分自身の身を守る行動に出るのが人間の本能なのかもしれません。

この人間の本能を批判するのは簡単ですが、このような事態に直面した時に、違った行動に出る人が

いるのです。

 

このような人たちに共通している行動は、責任を引き受ける覚悟ではなかと思います。

この覚悟が正しければ、人は共感を得て、その人に協力しようとする。

その思いが重なると、場の空気が変わる。

組織により、課題の難易度により状況が変わるのはあたりまえですが、大切な事だと感じます。

リーダーシップの重要な要素ではないでしょうか。

 

自己の成長を実現する為に、時には、責任を引き受ける覚悟が大切ではないでしょうか。